
あなたも歯周病の可能性が高いです。
なぜなら、日本の成人の80%が歯周病に罹患していると報告されています。そして、そのうちの45%が歯周治療が必要で10%が深刻な歯周病なのです。

歯周病の成り立ち

お口の中にはたくさんの細菌が存在します。
歯の表面上に存在する細菌群(特に歯肉縁下バイオフィルム)のなかに3種類の最強の歯周病菌がいます。最強の3種とこれら以外の細菌もバイオフィルム内で、足らない栄養素をお互いに分けあいじわじわと病原性を高めていきます。そして歯肉の炎症が強くなると、歯周ポケットの内面には傷(出血が生じる)ができるのです。
歯周病菌にとって、血液中の鉄分とタンパク質がすごい栄養なので、どんどん増殖し活発となります。
その結果、バイオフィルムの病原性は大幅に高まり、お口の環境と歯周病菌のバランスが崩れ、歯周病が本格的に進行します。
歯周病の症状
以下の症状にあてはまる方は、歯周病の可能性があります。
お早めにご相談ください。
- 朝起きた時に、口の中がネバネバする
- 歯を磨いた時に血が出る
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
- 硬いものを噛むと痛む
- 以前に比べて歯が長くなったような気がする
- 歯がグラグラする
- 歯が浮いているような気がする
- 歯茎が赤く腫れたり、膿が出る
歯周病の治療
細菌に供給される栄養を断つことが重要です。
歯周ポケット内の傷が修復し出血が止まります。これにより、バイオフィルムの病原性が大幅に低下し、原因がなくなれば歯周病は改善に向かいます。
しかし、油断すればすぐに再発するのが歯周病なのです。
-
1.掃除指導
現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解した上で、正しいブラッシング方法を学んでいきます。
-
2.スケーリング(歯石除去)
歯歯石は歯面に付着したプラークに唾液中のリン、カルシウムが混じって石灰化したものです。歯に付着しておりそれ自体の病原性はありませんが、表面がでこぼこしていて、歯垢が付きやすいため、一般的に超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除きます。
-
3.フラップオペレーション
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深い場合には、ポケットの外から器具で歯垢や歯石を取り除くことは不可能です。このような場合には、歯肉を開いて歯根を露出させ歯垢や歯石を取り除きます。
-
4.メンテナンス
治療が終わった後に継続して、良い状態を維持することをいいます。そのためには、歯科医師のチェックと歯科衛生士による専門的なお口の清掃(クリーニング)を定期的に行います。
最低でも半年に1回は定期的にチェックを受けましょう。進行した歯周病の治療が終わった方は、1~3ヵ月のサイクルで来院し安定した歯茎の状態を管理していくことが大切です。
歯周病と全身疾患
歯周病は、大切な歯を奪ってしまうだけでなく、全身疾患とも深い関わりがあることがわかってきました。
歯周病菌が肺や血液を通じて全身をめぐり、さまざまなトラブルを引き起こすことがあるのです。病気の原因を探していたら、なんとそれが歯周病だった…というケースも少なくありません。